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 Farm To Table
本庄児玉コラム2020.07.27

Farm To Table

“Farm To Table” 日本では、なぜ、定着しないのでしょうか?

日本(川越)で成功させるには…、何か良いヒント・アイデアは、ありますでしょうか?


2016年秋、NPO法人設立イベントとして米国オレゴン州ポートランドへの視察を企画実行し、

その後、現地事業者と連携して活動を進めている NPO法人彩の国地域活性化協会 荒木副代表理事にお話を伺いました。


Farm to tableについて


農場から食卓へ。とても簡単な、農家と食べる人の顔が見える関係が無いのはなぜか。


原因1:農協という組織の共選(共同で出荷し、選別し、ある一定量以上の物量で出荷する仕組み)

原因2:コミュニティの不足

原因3:教育の不足

原因→解決策は?


原因1:共選から個選への移行 

原因2:コミュニティの場の提供と言っているが、それが出来ない。日本の貧しさの本質的な問題。

 他の国では朝夕と関係なく、人が集まり、何か話をしている。それぞれの場所でコミュニティが生まれている。

 貧しいというのは生産性の低さ、給与の低さ。都会の人もローン地獄や家賃の高さで異常。

 また、遠隔地からの通勤で、その時間の欠落は甚だしい。仕事を終えてからワイワイとコミュニティを広げている感がない。

原因3:教育 色々ありますね。例えば、共用語を日本語、英語とするだけで色々変わるのに。それもできない。

 中国でさえ、英語圏でない国。その中国語の語学学校の基本言語が英語。英語で北京語を教えている。

 是非、ポートランド市にお邪魔してカフェで適当な人と会話してみてください。


具体的で良いと思った策


1.ポートランド市でサラダを専門にだしているクリスプさん、

オーナーが動物のウサギ好き。

 毎日出る、サラダのロスは動物愛護団体に寄付。そして、毎週水曜日の売り上げの一部をウサギさんの保護グループに寄付。

 そんな寄付行為が普通に行われています。そこでも会話のネタになる。


ポートランド市ではナショナルチェーン店は売れないというジンクスがある。

もちろん、スタバ、ホールフーズというスーパーもあまり売れてなさそう。みんな、地元のカフェやスーパーを利用している。
ナショナルチェーン店が頑張っているようでは地元の力は発揮できない。その理解と教育がないと厳しいです。



2.やはり良いのがチップ制。

飲食店で地元の野菜などはフロアーの人が説明できるので、

厨房のシェフに、説明できる材料を使ってほしいと言える立場にある。

それはチップで生活をしているのでみんな必死。テーブルをいくつ担当できるかで収入が変わってくるので、

その担当になるのも必至。だから料理の説明も楽しく、一生懸命。基本的に受け入れる姿勢(愛)がある。
          

3.先ずは飲食店に産地表示。

それも愛がある産地表示をしてみる。

飲食店で産地を知るより売る方が先を変える。

例えば、今年は梅雨が長いので今の時期、関東に出荷しているレタスは生育できず、収穫できず、農家は苦しんでいるんです。

その中でも良いものを選んで出荷してもらっています。なんてコメントができるお店やスタッフが増えてほしいものです。

これは提携している農家が無い限り出てこないコメント。スーパーなどはなんとか集めて、レタスを売っていますから、

この言葉は出てきません。スーパーのバイヤーは産地と繋がりのあるのでしょうから、

レタスを集めてくるのが大変なんだと言えるでしょう。ここで問題なのが教育です。

教育は時間がかかります。教育するのがマニュアル接客時間にさくのが普通なので、

上記のような知識を入れる脳が無いです。また、聞く側も脳に入れるゆとりが無いので難しいです。

しかも、そこまで説明できる教育をした食材は値が張るので買えないでしょう。




4.オーガニックを進める。

オーガニック市場はこのコロナ禍でも微増ですが伸びています。今後も微増します。

農業も飲食店もオーガニックへシフトする。


5.シェアオフィスなどシェアが進ませる。

シェアキッチン、シェアロースターなどを市町村が持つようにする。

保健所が絡むのですが、そのシェアで物販できるようにする。

シェアすることで競合するお店ができる。しかも、設備費が少なくて済むので安価になる。

安価にするのではなく、違うところに投資するので逆に高価なことが多い。



6.お店の値札のどこかに信号の印をつける。

これを地域で行う。

自分で売っているものが輸入品ばかりだからダメは無いです。赤信号の代表例がコーヒーやチョコ。

それでも、青になる取り組みをするように仕向ける。ポートランド市のコーヒーロースターはフェアトレードが中心。

中にはその地域で学校を作る活動に参加しているロースターもいます。

そのコーヒーはそんな意味で「青」つけてもよいのではないでしょうか。

 地元・有機栽培・新規就農者が作っているものは「青」信号の印。
 地元・慣行栽培のものは「黄」信号の印
 県外、輸入品は環境負荷が大きいものになるので「赤」信号の印。



 7.以上のものを市の条例にする。

 たとえば、・・・市の「環境にやさしい条例」とか銘打って。
 そうなると環境にやさしい産業に対して支援する行政予算がつきます。
 その予算の有効な利用の仕方をしていかないとならない。こんな条例です。

荒木さんは、醸造家で天然酵母の“味輝パン”のオーナー、ポートランドえ有名なKen’s Artisan BakeryのKenとも親しく、

Farm To Tableについての熱い思いを語っていただきました。


Local First

NPO法人 ネイバーフッド・ライフスタイル・パートナーズ

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